君の瞳に映りたくて。



「………じゃあもしかして私が原因?」


「春翔が病院へ運ばれたのは登校日の夕方。
部活があったからその帰り道だと思われる。
部活終わったのが17時過ぎ。
春翔が運ばれたのが18時前。
宮下はその時間何してたんだよ。」


「………家でご飯食べてた、かな?」


「ならちげーだろ。」


「ですね。」


よかった。
私が原因だったらどうしようかと思ったよ。


「まぁ原因はまた考えるとして、もう1つわかったことがあって」


「なに?」


「魂が体から離れてるとな、体力をすげー消費するんだとさ。」


「え、でも和泉すごい元気だよ?
寝なくても平気なくらい。」


「あほか。体力っつってんだろが。
魂の方じゃなくて、体の方だよ。」


「え、体の方?
………で、結果的にどうなるの?」


「体に戻れなくなる。」


「え!?」


「意識を戻すことができなくなる。
春翔はそのまま地縛霊となる。」


「えぇ!?」


「まぁ本の情報だし、実際本当にそうなるのかはわかんねーけどな?
だけど可能性は0じゃないだろ。」


「ど、どうしよう…」


このままじゃ和泉が……


「だから、夕方になったらまた出掛けよう。
同じ時間帯で同じ景色をみたらなにか思い出すかもしれない。」


「う、うん…」


でもこのまま和泉がこのままだったら………


「…大丈夫、きっと戻るよ。」


「………香坂…」


頭に乗った香坂の手が暖かくて、泣きそうな私を暖かく包み込んでくれた。


「………そう、だね。
頑張らないと!!
ね、和泉!」


「………うん。」



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