君の瞳に映りたくて。
和泉said
***
………なんなんだよ、この二人。
俺の話してるくせに俺の事眼中にねーのかよ。
なぁ、舞桜。
俺の事見えてますかー。
「でも、原因はなんなんだろ…
本当に和泉がこのままだったらどうしよう…」
………でも本気で俺の事を心配してくれてるんだもんな。
俺も早く戻れる努力しねーと。
この状態を楽しんでる場合じゃねーよな……
「とりあえず春翔が本気で戻りたいって願うとか。」
………でももし本気で願って今戻ったら、この二人は二人きりになるんだろ?
それはそれで嫌なんだけど。
「………まぁそれはあとで試してみるわ。」
「なんで?」
舞桜よ、そこは突っ込むな。
「あとは確かその恨んでる相手の幸せを願うこと、だな。
ただこれは生き霊となった春翔に言うんじゃなくて、意識が戻ってない春翔に言って、心の底から相手の幸せを願わねーと意味がないんだよな。」
おう、こいついい具合に話をそらしてくれた。
「じゃあダメじゃん。」
「それに生き霊って、飛ばした本人に不幸が訪れるらしい。病気、怪我、事故とか。
きっと今春翔が意識を取り戻さないのは生き霊を飛ばした代償ってとこだな。」
「………よく調べてんだな。」
「ふふ、それだけ香坂は和泉の事が心配なんだよ。」
「は?」
ふーん、こいつがね。
俺には俺のためっつーか、俺のために必死になってる舞桜のために見えるんだけど。
俺だけなんかな。