この夏の贈りもの
☆☆☆
少なくとも、みんなは唯人の事を怨んでなんていなさそうだ。
もし怨んでいたとすれば、唯人とこんなに長い時間一緒にいる事もないだろう。
唯人と一緒に行動することも、なんの違和感もないように見える。
「次は山登り!!」
川から戻って来た翔はすぐにそう言った。
幽霊だからか、川で散々遊んでもちっとも疲れている様子はない。
「山登りって、どこの山?」
あたしがそう聞くと「学校の裏山だ」と、即答された。
「裏山って、登れるようになっているの?」
「あぁ。生徒たちはよく登山をしているよ」
「道なき道を行くって感じだけどな」
翔の言葉に裕が補足を付け加えた。
道なき道か。
舗装されていないのかもしれない。
「クマとかさ、そういうのは大丈夫なの?」
「大丈夫だ。今まで出くわしたことはないからな」
翔の説明は一抹の不安が残る言い方だったが、まぁいいだろう。
危険だと感じたらすぐに引き返す事を約束して、あたしたちは高校へ向けて移動を始めたのだった。
少なくとも、みんなは唯人の事を怨んでなんていなさそうだ。
もし怨んでいたとすれば、唯人とこんなに長い時間一緒にいる事もないだろう。
唯人と一緒に行動することも、なんの違和感もないように見える。
「次は山登り!!」
川から戻って来た翔はすぐにそう言った。
幽霊だからか、川で散々遊んでもちっとも疲れている様子はない。
「山登りって、どこの山?」
あたしがそう聞くと「学校の裏山だ」と、即答された。
「裏山って、登れるようになっているの?」
「あぁ。生徒たちはよく登山をしているよ」
「道なき道を行くって感じだけどな」
翔の言葉に裕が補足を付け加えた。
道なき道か。
舗装されていないのかもしれない。
「クマとかさ、そういうのは大丈夫なの?」
「大丈夫だ。今まで出くわしたことはないからな」
翔の説明は一抹の不安が残る言い方だったが、まぁいいだろう。
危険だと感じたらすぐに引き返す事を約束して、あたしたちは高校へ向けて移動を始めたのだった。