この夏の贈りもの
そう言い、左右に首を振っていた。


肌寒さが加速していくようだった。


「なんでだよ? マヤだって、俺の事を……」


唯人の言葉を最後まで聞かず、あたしはその場から走り出していた。


「マヤ!!」


後ろから聞こえて来る間違えた名前から逃げるように、あたしは校舎の中へと駆け込んだのだった。
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