この夏の贈りもの
最後の心残り
昼が近づいてきてもあたしはなんのやる気も起きなくて、教室にひいた布団の上に寝転んでいた。
和と唯人には体調がすぐれないと言ってある。
「大丈夫か?」
和があたしの隣に座り、心配そうな顔を向ける。
「……うん」
あたしは真っ直ぐに和を見返す事もできず、曖昧に頷いた。
本当は体の調子はすこぶるいい。
単純に、みんなと過ごしたこの学校から出るのが嫌なんだ。
せっかく男子と仲良くなれた。
普通に会話することもできたし、自転車で一緒に買い物にも行った。
今までのあたしからすれば、それは信じられない、まさに夢のような時間だった。
できればこの学校から出て行きたくない。
夢のような時間が今日で終わってしまうなんて、考えたくもない。
「本当は元気なんだろ」
含み笑いを込めた声にあたしは顔を向けた。
唯人が笑顔を浮かべてあたしを見ている。
その笑顔に胸の奥が締め付けられるような感覚になった。
除霊がすべて終われば、唯人ともきっともう会えなくなる。
和と唯人には体調がすぐれないと言ってある。
「大丈夫か?」
和があたしの隣に座り、心配そうな顔を向ける。
「……うん」
あたしは真っ直ぐに和を見返す事もできず、曖昧に頷いた。
本当は体の調子はすこぶるいい。
単純に、みんなと過ごしたこの学校から出るのが嫌なんだ。
せっかく男子と仲良くなれた。
普通に会話することもできたし、自転車で一緒に買い物にも行った。
今までのあたしからすれば、それは信じられない、まさに夢のような時間だった。
できればこの学校から出て行きたくない。
夢のような時間が今日で終わってしまうなんて、考えたくもない。
「本当は元気なんだろ」
含み笑いを込めた声にあたしは顔を向けた。
唯人が笑顔を浮かべてあたしを見ている。
その笑顔に胸の奥が締め付けられるような感覚になった。
除霊がすべて終われば、唯人ともきっともう会えなくなる。