この夏の贈りもの
☆☆☆
住田唯人が再び家を訪れたのは、翌日の朝だった。
朝も朝、早朝と呼べる時間だ。
昨日の夜は比較的早く眠ったものの、チャイムの音に叩き起こされたあたしは不機嫌さ満載で玄関に出てきていた。
「ちょっと、非常識じゃない」
ムスッとした表情のままそう言うと、住田唯人は相変わらずの爽やかな笑顔を浮かべていた。
それも学ラン姿で。
こんな朝早くから学ランで街を出歩いていれば、さぞかし目立つことだろう。
だけど本人はそんなこと全く気にしていない様子だ。
「やぁ、おはようチホ」
その声色に思わず心臓が跳ねる。
待て待てあたし、騙されるな。
こんな時間に家に訪問する人間は常識なんてないんだから、無意味に傷つけられないためにも距離を置いておく必要がある。
「昨日から呼び捨てにするのやめてくれる?」
背の高い住田唯人をジロッとにらみ上げてそう言った。
住田唯人は首を傾げて「じゃぁ、なんて呼べばいい?」と、聞いて来た。
その仕草が子供のようでとても可愛らしい。
思わず頬が緩みそうになって、キュッと引き締めた。
住田唯人が再び家を訪れたのは、翌日の朝だった。
朝も朝、早朝と呼べる時間だ。
昨日の夜は比較的早く眠ったものの、チャイムの音に叩き起こされたあたしは不機嫌さ満載で玄関に出てきていた。
「ちょっと、非常識じゃない」
ムスッとした表情のままそう言うと、住田唯人は相変わらずの爽やかな笑顔を浮かべていた。
それも学ラン姿で。
こんな朝早くから学ランで街を出歩いていれば、さぞかし目立つことだろう。
だけど本人はそんなこと全く気にしていない様子だ。
「やぁ、おはようチホ」
その声色に思わず心臓が跳ねる。
待て待てあたし、騙されるな。
こんな時間に家に訪問する人間は常識なんてないんだから、無意味に傷つけられないためにも距離を置いておく必要がある。
「昨日から呼び捨てにするのやめてくれる?」
背の高い住田唯人をジロッとにらみ上げてそう言った。
住田唯人は首を傾げて「じゃぁ、なんて呼べばいい?」と、聞いて来た。
その仕草が子供のようでとても可愛らしい。
思わず頬が緩みそうになって、キュッと引き締めた。