この夏の贈りもの
そう言うと、住田唯人はまた眉を下げて今度は申し訳なさそうな表情を浮かべた。


悲しそうな顔と申し訳なさそうな顔は良く似ている。


あたしは冷静にそんな事を分析していた。


「……ごめん」


素直に謝られたらなんだかこちらが悪い事をしている気分になって、許してしまいそうになる。


あたしは流されまいと、ジッと住田唯人を睨み付けた。


長いまつ毛が揺れて、あたしを見つめ返す。


視線がぶつかると思わず目をそらせてしまうのはやっぱりあたしの方だった。


男性があたしの目を見つめて会話をする事は滅多になかったから、どうすればいいのかわからなくなってしまう。


同時に、少しだけ胸の奥が暖かくなる感覚がした。


住田唯人はあたしの胸と会話をしているわけじゃない。


ちゃんと、あたしと会話をしているんだ。


今までとは少し違う異性に嬉しさと戸惑いがあった。
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