この夏の贈りもの
「き、今日は除霊の話で来たんでしょ?」
先に視線をそらせてしまったあたしは居心地の悪さを感じながらそう聞いた。
「うん、そうなんだ。どう? 来てくれる気になった?」
住田唯人を横目で見ると、期待半分、諦め半分な表情をしている。
本当に、どんな気持ちでも全部顔に出てしまう人らしい。
「昨日、電話でお父さんに相談してみた」
「そうなんだ!?」
「うん」
「なんて言ってた?」
食いついてくる住田唯人に素直に『除霊をしに行くよ』と言う事ができなくて、あたしはふくれっ面で視線をそらした。
「……ダメ、だった?」
今にも泣き出してしまいそうな顔でそう言う住田唯人を見て満足したあたしは「一応、行ってみる事になった」と、言った。
瞬間、住田唯人の顔は見る見る明るくなっていく。
それはまるで真っ直ぐに昇って行く太陽のようで、眩しくてあたしは目を細めた。
「本当に!? 来てくれるのか!!」
住田唯人がそう言い、勢いに任せて両手を広げて来たのであたしは素早く身を逸らせた。
住田唯人の手は空中をかき、危うくこけそうになっている。
なにしてんの。
心の中で突っ込みをいれて、思わず笑いそうになった。
「行くから、黙って外で待ってて」
あたしはそう言うと玄関を閉めて鍵をかけた。
それでも外からは嬉しそうなはしゃぎ声が聞こえて来る。
その声にあたしは拍子抜けしながら自室へと向かったのだった。
先に視線をそらせてしまったあたしは居心地の悪さを感じながらそう聞いた。
「うん、そうなんだ。どう? 来てくれる気になった?」
住田唯人を横目で見ると、期待半分、諦め半分な表情をしている。
本当に、どんな気持ちでも全部顔に出てしまう人らしい。
「昨日、電話でお父さんに相談してみた」
「そうなんだ!?」
「うん」
「なんて言ってた?」
食いついてくる住田唯人に素直に『除霊をしに行くよ』と言う事ができなくて、あたしはふくれっ面で視線をそらした。
「……ダメ、だった?」
今にも泣き出してしまいそうな顔でそう言う住田唯人を見て満足したあたしは「一応、行ってみる事になった」と、言った。
瞬間、住田唯人の顔は見る見る明るくなっていく。
それはまるで真っ直ぐに昇って行く太陽のようで、眩しくてあたしは目を細めた。
「本当に!? 来てくれるのか!!」
住田唯人がそう言い、勢いに任せて両手を広げて来たのであたしは素早く身を逸らせた。
住田唯人の手は空中をかき、危うくこけそうになっている。
なにしてんの。
心の中で突っ込みをいれて、思わず笑いそうになった。
「行くから、黙って外で待ってて」
あたしはそう言うと玄関を閉めて鍵をかけた。
それでも外からは嬉しそうなはしゃぎ声が聞こえて来る。
その声にあたしは拍子抜けしながら自室へと向かったのだった。