この夏の贈りもの
☆☆☆
ようやくあたしは竹丘男子高校の前までやってきていた。
大きなグラウンドの奥に、灰色の校舎が建っている。
しかしそれはあたしたちが通っている学校の半分ほどの大きさしかなかった。
2階建てで屋上はなく、代わりに瓦が乗っかっている。
まるでそのへんの民家を大きくしたような雰囲気の建物だ。
グラウンドまで来て呆然と立ち尽くしていると、後ろから唯人がやって来た。
「なにボーっとしてるんだよ」
「こんな学校、見たことがなくて……」
「あぁ。戦時中からずっと壊れずに建っている学校なんだ。中は全部木造だぞ」
「戦時中!?」
あたしは目を見開いてそう聞き返した。
そんなに昔の建物が今でも現役で使われているなんて、思ってもいなかった。
「あぁ。所々修復はしてるけどな」
「それでもすごい……!」
すっかり感動してしまったあたしは、校舎の外壁をこれでもかと言うほどに眺めまわした。
外はコンクリートで固められているけれど、校舎への入り口はすでに木製だ。
大きくて立派な門がかまえられていて、頭上を見ると一本の木が綺麗に曲線を描いている。
「すごい……」
あたしはまたそう呟いた。
ようやくあたしは竹丘男子高校の前までやってきていた。
大きなグラウンドの奥に、灰色の校舎が建っている。
しかしそれはあたしたちが通っている学校の半分ほどの大きさしかなかった。
2階建てで屋上はなく、代わりに瓦が乗っかっている。
まるでそのへんの民家を大きくしたような雰囲気の建物だ。
グラウンドまで来て呆然と立ち尽くしていると、後ろから唯人がやって来た。
「なにボーっとしてるんだよ」
「こんな学校、見たことがなくて……」
「あぁ。戦時中からずっと壊れずに建っている学校なんだ。中は全部木造だぞ」
「戦時中!?」
あたしは目を見開いてそう聞き返した。
そんなに昔の建物が今でも現役で使われているなんて、思ってもいなかった。
「あぁ。所々修復はしてるけどな」
「それでもすごい……!」
すっかり感動してしまったあたしは、校舎の外壁をこれでもかと言うほどに眺めまわした。
外はコンクリートで固められているけれど、校舎への入り口はすでに木製だ。
大きくて立派な門がかまえられていて、頭上を見ると一本の木が綺麗に曲線を描いている。
「すごい……」
あたしはまたそう呟いた。