この夏の贈りもの
☆☆☆
「チホってさぁ、好きな奴とかいんの?」
それは中学校の放課後の教室だった。
みんな帰ったり部活にいったりしていてそこには誰もいなかった。
あたしと彼だけが教室に残っていたのは、掃除当番だったからだ。
みんなは彼とあたしだけを置いて先に帰って行ってしまった。
教室1つ分を2人で掃除すると随分時間がかかってしまう。
外はオレンジ色に染まりはじめていた頃、ようやくすべての掃除が終わっていた。
「え?」
あたしは最後の机を拭き終えて、彼の顔を見た。
太陽の逆光で彼の顔は黒い影に包まれていた。
彼は校内でも人気の生徒で、2人きりで掃除をしていたあたしはどうしても意識してしまっていた。
そんな時の質問で、とまどいを隠せないあたし。
「好きな奴いなかったらさ、俺と付き合ってくれない?」
「チホってさぁ、好きな奴とかいんの?」
それは中学校の放課後の教室だった。
みんな帰ったり部活にいったりしていてそこには誰もいなかった。
あたしと彼だけが教室に残っていたのは、掃除当番だったからだ。
みんなは彼とあたしだけを置いて先に帰って行ってしまった。
教室1つ分を2人で掃除すると随分時間がかかってしまう。
外はオレンジ色に染まりはじめていた頃、ようやくすべての掃除が終わっていた。
「え?」
あたしは最後の机を拭き終えて、彼の顔を見た。
太陽の逆光で彼の顔は黒い影に包まれていた。
彼は校内でも人気の生徒で、2人きりで掃除をしていたあたしはどうしても意識してしまっていた。
そんな時の質問で、とまどいを隠せないあたし。
「好きな奴いなかったらさ、俺と付き合ってくれない?」