この夏の贈りもの
コンビニやスーパーが立ち並んでいる通りを過ぎると、周囲には田んぼと山が広がっている。
細いあぜ道があちこちに続いていて、そこを歩いてみたくなってしまう。
「いい景色だろ」
唯人にそう言われて、あたしは「そうだね。川も綺麗だったけれど、田んぼもこんなに綺麗だったんだね」と、頷いた。
初めて見る景色なのに、なんだか懐かしい気持ちになってくる。
「竹を切って、田んぼを作って。そういう自給自足の生活がまだ続いているんだ」
「すごいよね。あたしにはできない」
「そんなことはない。チホにだってできる」
唯人がそう言うので、あたしは自分が田植えをしている場面を思い描いてみた。
泥まみれになって後植をしているあたし。
想像したらおかしくなって笑ってしまった。
やっぱり、とてもじゃないけれどできそうにない。
田んぼを通り過ぎて川に出ると、大空が不意に立ち止まった。
周囲には民家が何件か建っている。
「この辺?」
そう聞くと「あの家だ」と、大空が一件の大きな家を指さした。
その家は川のすぐ近くに建っていて、大きな門構えがしてある立派な日本家屋だった。
細いあぜ道があちこちに続いていて、そこを歩いてみたくなってしまう。
「いい景色だろ」
唯人にそう言われて、あたしは「そうだね。川も綺麗だったけれど、田んぼもこんなに綺麗だったんだね」と、頷いた。
初めて見る景色なのに、なんだか懐かしい気持ちになってくる。
「竹を切って、田んぼを作って。そういう自給自足の生活がまだ続いているんだ」
「すごいよね。あたしにはできない」
「そんなことはない。チホにだってできる」
唯人がそう言うので、あたしは自分が田植えをしている場面を思い描いてみた。
泥まみれになって後植をしているあたし。
想像したらおかしくなって笑ってしまった。
やっぱり、とてもじゃないけれどできそうにない。
田んぼを通り過ぎて川に出ると、大空が不意に立ち止まった。
周囲には民家が何件か建っている。
「この辺?」
そう聞くと「あの家だ」と、大空が一件の大きな家を指さした。
その家は川のすぐ近くに建っていて、大きな門構えがしてある立派な日本家屋だった。