花一刻、〜新撰組〜

話してみたいけど…。
3人を囲む遊女は、30人くらい。

どうやら、三島屋だけでなく、他の高級見世や、三島屋よりも敷居が上な見世も参加しているみたい。

3人の周りは、見たことのないとても、綺麗でべっぴんさんな、遊女達が囲んでいた。

あそこにはあたしが入る余地はないなぁ…。

「茜音、あそこに入る余地は無いよ。
他の旦那様のところへ行こう。」

「えーー。姐さんの意気地なし。」

茜音は、ぶーぶー不平を訴えるが、無視を
して、あたしは、お座敷を見渡した。

どこも、遊女達でいっぱいで畳が外れてしまうかと思うぐらい人がたくさんいた。

しょうがない、黙ってお茶でも挽くかと、
思い始めた頃、開けっ放しにしていた襖の外に、下駄が乱雑に並べられた入り口が見えた。

これは、旦那様方が帰られる時、とても
大変なことになるだろうと思った。
< 5 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop