ないしょばなし。
第二章
…なんでこうなっちゃったんだろう?
学校帰りの高校生でにぎわう駅前のショッピングセンター。
その化粧売り場に立ちすくんだまま、あたしは帰りたい気持ちでいっぱいだった。
ぴかぴかきらきらしたコスメたちがやけにまぶしい。
あのままやけにテンションがあがっちゃった千恵子に
引きずられるようにしてここまで来たけど…
あたしメイクとかほぼ全くしたことないんだよね。
中学のときはメイクしてる子なんてあんまりいなかったけど、
高校になってその割合がグッと増えた。
初メイクに挑戦するタイミングを逃したあたしは、
イマサラな照れもあっていまだすっぴん派だった。
そーなると、なんかメイクしてる子に対する
ビミョーな引け目みたいなのを感じるんだよね。
だから、ギャル系の子たちが集まる化粧品コーナーは
あたしのニガテスポットだった。