ないしょばなし。
第一章
「…おはよー…」
「あ、弥生。おはよ」
市立東高校。
偏差値、普通。
進学率、普通。
風紀、普通。
制服、普通。
あれから8ヵ月。
普通としか言いようのない
この高校に進学したあたしは、
そこそこ楽しい毎日を送っていた。
普通に勉強して、
普通に遊んで、
普通に騒いで。
だけどやっぱり「普通」じゃない。
勉強するときも遊ぶときも騒ぐときも
「普通」に隣にいた章太朗がいない。