恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「もともと、私には、葛城さんはハードルが高過ぎたんです。
だから葛城さん、週末に何度かデートに付き合ってください。
忙しい時期が終わって時間の余裕が出来たら、2、3回私に付き合ってください。
それだけで十分です」
「君がそうしたいなら、条件は飲む。無理に反対はしない。
でも、これだけは言っておくよ。
俺は、君に嘘をついた覚えはない」
「そうですか。でも、そのことを証明しても……」
「意味はある。そうじゃないか。嘘なんかついたら、君との関係はうまくいかなくなる」
一瞬手が緩んで、彼の手が離れた。
「でも、今は自分の過去を呪いたい。
出世とか、少しでも人を出し抜こうとか、つまらない事にとらわれてたんだ。浅はかだった」
「葛城さん……」
「今は、俺、不安で仕方がない。君の目に俺がどう映ってるか。
つまらない人間にしか見えてないんじゃないかと思うと、過去への後悔しかない」
彼の手がすっと伸びてきて、頬に添えられるのを防げなかった。