恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
この感覚に、身に覚えがあった。
彼が顔を近づけてくる。
彼がキスするとき、軽く唇を開く。
そして、すっと息を吸い込むように唇を重ねてきた。
甘いキスをされて、酔ってしまったみたいに分からなくなる。
「君のことは……本気だから。和泉」
「ん?」
彼の眼は、私をずっと捉えていた。
「か、葛城さん私、戻らないと……
離してください。いつまでキスしてるんですか?」
「君が、俺のこと好きになるまで。
一時間でも。一日でも。君が俺のこと忘れられなくなるまで。こうしていたい」
「葛城さん……キスなんかで人を好きになるの?」
「今まで落ちなかった人は、いない。
このまま、好きになるまで、してるから。
だから、早く……俺の手に堕ちて。お願い」
かすれた切羽詰まった声でそう言うと、彼は私をぎゅっと抱きしめた。