恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
ダラダラと坂を上って、10分ほど歩いた。

自宅のマンションを前にして、立ち止まる。

「ありがとうございました。ここでいいです。家ここですから」

「部屋の前まで送るよ」

彼は、部屋の前までやって来た。

「おやすみなさい」鍵を持っている手を握りしめられた。

「和泉……君と話がしたい」荷物を手にしたまま、難しい顔をしてる。

葛城さんは、一歩も譲らないという目で私を見てる。

にらみ合いでは勝ち目はない。私の方が折れた。

「狭いですけど、入ってください」

「ありがとう」

キッチンと、寝室。リビングにはベッドに小さな机が置いてある。

なんてことはない、1LDKの部屋だけれど。

彼は、小さなテーブルの前に座った。


「なにか、飲みますか?それとも、食事済んでますか?」

「いいや。何も食べてないし、飲んでない。出先から真っすぐここに来たから」

「じゃあ、何か作ります」

「ありがとう」

冷蔵庫に残ってた食材と、スーパーで買った食材を使って簡単な炒め物の料理とみそ汁を作った。




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