恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~




――今日はサンキュー。旨かった。それで、今日仕事、何時に終わる?



佐野君にお弁当を渡して、お礼が返って来た。

なんて、シンプルな返事だろう。

そのお礼の後ろに、何か書いてある。

無視しよう。

無視したいけど。お弁当箱回収しなきゃいけない。

結局、私は佐野君に会わなければならなくなった。



――だいぶ落ち着いてきたから、7時には出られるけど。

――じゃあ、7時にロビーで待ってる

――待ってるって、どういうこと?

――いいから、とにかく来い。待ってるから、ロビーに来いっていう事

「もう、説明になってないじゃん」

もうすぐ就業時間という時になって、会社の近くの居酒屋に飲みに行くと告げられた。

「何よ、話って」

佐野君が予約してくれた店は、わりと落ち着いた雰囲気の店だった。

意外な事に襖で仕切られた個室だった。

「ちょっと、気になったことがあってな」

「気になった事?」

彼は、私にメニューを渡すと真剣な顔をした。
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