恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「そうか。そういう理由なら、和泉の相手は、別に葛城さんじゃなくてもいいじゃないか」
「ええ?」葛城さんじゃなくていいって?
「佐野君、何が言いたいの?そんな事言い出したら、話が全然別の方に行っちゃう」
「いや、だから、その役目、男なら誰でもいいんだろう?
だから、婚約者がいる葛城さんである必要ないじゃないか。
俺だって、一応お前が苦手とする男だ。だから、俺がお前の相手になってやる。
役目を代わってやるよ。お前、俺で慣れていけばいい」
彼は、どんとこいと言うように自分の胸を叩いた。
「冗談でしょう」私は、本当に冗談だと思って聞いていた。
「冗談でいうか。こんなこと。男慣れするなら、別に誰だっていだろう?
それとも。葛城さんんじゃなきゃダメって理由あるのか?」
ないと思うけど……
「やめてよ。くだらない冗談で始まった事だもん。本気に取らないでよ」
「くだらない冗談で、すまないだろう。分かってるのか?
あの人、好きになっても、お前の気持ちが報われる可能性、ほとんどないぞ。
だから、大丈夫って言っていられるうちに、安全な場所に逃げておけ。
葛城さん本気で好きになったら、どうしようもないだろう?
その点、俺なら、お前になんでも応えてやれる」