恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「んじゃや、証明してやろうか?」
佐野君がけしかけて来る。
「どうやって?」
「こっちに来いよ」
佐野君が手で、こっちに来いと合図してる。
私は、彼に言われるまま横に移動した。
彼の横にちょこんと座る。
佐野君、体育会系らしくがっちりした体つきをしてる。
隣に座ると余計に圧迫感を感じる。
「和泉、こっち向け」
「ん?」
力強い腕が背中に回され、ぐいっと引き寄せられた。
気が付いた時には、私は佐野君の腕の中にいた。
「本当、鈍い奴だな。でも、俺、チャンスは逃さないから。悪いな和泉」
なに?
何で?
佐野君、顔近づけるの?
近付いてくる彼の顔を避けようとしたけれど、そんな事、佐野君は百も承知だった。
大きな手で頭の後ろをがっちり固定してた。
ええっ?
全然、動けない。
佐野君の唇が触れそうなほど近づいてくる。
「止めてったら。冗談にもほどがある」
彼は、ふっと口元を緩めて笑った。
本気なの?
本当に私たちキスするの?
佐野君、ちょっと待って。
まずいって。
彼の胸の中で私が逆らっても、佐野君にしてみれば、抵抗にもならない。
「あっ」
唇が軽く触れあって、何度もかすめた。
やがて、触れあったまま深いキスになった。
佐野君は、弄ぶように何度もキスをした。
「佐野君……お願い」
「おい、止めろって言えよ。ずっとこんな事してると最後までしちゃうぞ」