恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
どうぞ話してごらんというように、柔らかい態度で接してくれる。
「私……」
「うん」
「色々、問題を抱えてて……」
「うん……」
「ああ……どうしよう。
頭が混乱して、うまく話せない」
何から話そうかって、ちゃんと決めてたのに。
葛城さんが助け舟を出してくれる。
「難しいと思ううちは、無理に話さなくていいさ。
こうして、君の顔を見られるだけで、俺は満足してるから。
君は、俺の前で笑ってくれればいい。
だから、無理するな」
彼が、手を伸ばして頭をなでてくれた。
「私……こんなふうに男性の手を、心地いいなんて感じたことなかったんです。
こうして触れられるのが怖かったんです」
「今は、平気か?
こんなに触れても、大丈夫か?」
「はい」
「和泉……俺たち、
最初の出会いとしては最悪だったんだね」
「いえ。あれで良かったんです。
葛城さんから、普通に話しかけられても、ここまで距離を詰める事はなかったと思います。
あなたが、いきなり目の前に飛び込んできたんです。
急だったので、拒絶する暇がありませんせんでした。
それであなたのこと、受け入れたんだと思います」