恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「見た感じ幸せそうで、昔のこと謝ってくれました。
君が悪かったんじゃないって。
自分が悪かったんだって。
ごめんって言って謝ってくれました」

私は、自分の膝をぎゅっと押さえていた。

乱暴に車のドアを閉める音や、イラついた男の人の姿がいまだに浮かんでくる。

けれど、そうするのは彼が私に怒っていたせいじゃないと思えた。
そういう男性のイメージと、葛城さんは、違うと思うことが出来た。

時々浮かんでくる暗い影を、今は、自然にやり過ごすことが出来る。

葛城さんは、絶対にそんな風にしない。

声を出せば、分かってくれる。

私の声を無視することはない。
そう言い聞かせる。

「そうか」
< 175 / 267 >

この作品をシェア

pagetop