恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
店を出て、
私は彼をうちに誘おうと思った。
このまま離れたくない。

自然に腕を彼の腕に絡ませる。

彼が、歩くスピードを合わせてくれる。


帰り際、彼が急に立ち止まった。

「和泉、今日は、このままうちにおいで」

「葛城さん……」

「もっと、こっちにおいで」
彼の手が腰を引き寄せた。

彼に抱かれて、人の流れから外れた場所に歩いて行く。

「もっと、君に触れてもいい?」
すでに私は、彼の腕の中にいる。

「はい」顎にそっと彼の指が添えられる。

首をすっと傾けてきて、唇を重ねる。

「逃げないんだね。
もう、嫌じゃないかい?」


「こんなのは、嫌です」


キスが止まって、
真剣な目が私の顔いろをうかがってくる。

「嫌だったの?」

「嫌です。こんなのじゃ、嫌です。
もっと触れて下さい。
もっと私に触れて下さい」

やっぱり、彼はちゃんと私を見てくれる。

私の事を、こんなにもよく見てくれている。

「ああ、そうしよう」

力強く、ぎゅっと抱きしめてくれた。
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