恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


結局、伝票の事はどうでも良く、彼女は私に話がしたかっただけだった。

5分ほど不毛な話をして、私は経理部に戻った。

私の姿を見て、すぐに駆け寄ってきた課長に業務と全く関係ありませんでしたと伝えた。

「そうか。だったらよかった」

大したことじゃなくて安心したよと、佐藤課長が胸をなでおろす。

席について、ため息をついた。

葛城さんにとって、この会社を辞めるっていう事は簡単な事じゃない。

それは、彼が私に言わなかったことだ。

そういうこと、わざわざ言う人じゃないんだけど。

大丈夫かな。

感情的になって決めなければいいんだけど。

どうするつもりだろう。

葛城さん、本当に辞める気かなあ。

ちゃんと話し合わなきゃなあ。


――待ってるから、電話して。遅くなってもいいです。

家に来てもらうようにメッセージを残し、彼の帰宅を待った。

――食事は?何か食べるものある?

彼が聞いてきたので、たくさんあるよ。だいたい30人分くらいはあるからと返信した。

――それは、楽しみだ
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