恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


「ただいま」

私の部屋だけど、彼はそういって帰ってくる。

「お腹減ったでしょう?」

「ん、それより何か話があるんだろう?そっちの方が気になるな」

「何か聞いた?」

「君の噂を聞くのは、最近は珍しいことじゃないんだけど」

「そうなの?」

「今日も、広報課にいって真梨香女史と誰かを争って1歩も引かなかったんだって?」

「だいぶ誇張されてるけど。方向性は間違ってないわ」

「ほんと、俺は戦利品になった気分だよ」なんて言いながら笑ってる。



「それに。待ってるって、絶対来いよって事だから。俺、ちゃんと微妙なニュアンスくみ取ってるだろう?」

後ろから手を回してきて、耳元に触れるようにそっと言う。

「そ、そうだっけ?」

こんな風にされると、自分の声がどういう効果をもたらすのか、計算されつくしてるのかなと思う時がある。



「で、話って何?」


「あなたの家族の事聞きたいの。本当に会社辞めちゃっていいのか知りたい」



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