恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「いいえ、むしろ、突き詰めていくと私が原因かと」
「心配してくれてるの?」口元がわずかに緩む。
こういう表情が好きだ。
両手で包み込むように、頬に触れる。
彼の体温が伝わってきて幸せな気分になる。
「それは、当たり前です」
「どおうして?」彼は、小さな子のように、わざとふざけて言う。
本当に、相手にどれほどダメージを与えるか分かってるんだろうな。
もう、憎たらしい。この曲者め。
「気になるからです」私は諦めて言う。
惚れてしまったもんは、勝負にならない。
「どうして気になるのかな?」彼がダメ押しをする。
「私のために、何かをあきらめて欲しくないからです」
「じゃあ、そのなにかのために、俺は、君をあきらめなきゃいけないの?」
「だから、こうして……」
「分かったって。そんな顔しないで。もう、しゃべんなくていいから。黙って」