恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
葛城さんは、優しい人だ。
優しいだけじゃない。
私のこと、ずっと放っておいてくれるだけの度量を持った強い人た。
ただ、放っておくのとはちょっと違うか。
黙って見守ってくれている。
余計な手出しをしないで、本当に困った時は、ちゃんと助けてくれる。
彼に応えられる成果が、私も、あればいいのだけど。
今のところ、あればいいのだけれど、と言うところで止まっている。
どうしたらいいのだろって、それだけだ。全然、前に進まない。
「うまくいかないな」
どうしたらいいんだろう。ほら、また同じだ。
ブツブツ独り言を言いながら、廊下を歩いていた。
「おい、待てよ」
佐野君が私の姿を見つけて、話しかけて来た。
「佐野君?」一歩引きさがる。
「何だよ。そんな警戒するなって」
「警戒してないって」
「んじゃあ、飯行こう。もう、昼過ぎてるぞ」
早速、彼に連れられて、ファミレスに入った。