恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
葛城さんは、またもや難題を私に与えた。

「どうせなら、和泉のところにも挨拶に行こうよ」なんて言い出した。

「うちは、どうでもいいです」結婚式直前でも。

「どうでもよくないでしょう。うちだけ行って、和泉の家族を無視するわけには行きません」
そういって、笑って却下された。

「君のお父さんって、どんな人?怒鳴ったりする?」と言いながら、ちょっと考え込む。

「そ、そんな激しい人じゃないですから」怒ったところ見たことないし。

「娘さんくださいって言うのかな?」

へ?

本当に、そんなこと言うつもりですか?

「話の流れで、そういう事になるかもしれないですけど」私は、聞いてみたい。

「妹さんが、一緒に住んでるんだよね」

「はあ」

彼にも、家族構成とか、どんな家族なのかも伝えてある。

実家に行くときは、この間選んだ服装でそのまま行く事にした。

驚いたことに。いつも冷静な葛城さんは、いつになく緊張気味だった。


「大丈夫だって。葛城さん見たら、私にしては出来過ぎだって、褒められるって。ニコニコして迎え入れてくれると思う」

「そうだといいんだけど」

なぜか不安顔だった。



< 217 / 267 >

この作品をシェア

pagetop