恋のルール教えて下さい ～憧れの課長と大人の恋～

「だって、葛城さんには婚約者がいるんだもの……」
と、この私の不用意な発言で、状況が一変した。

あっ……

しまった……かも。人生最大の墓穴。


「婚約者がいるって？」妹は聞き逃さなかった。

その場の空気が凍り付く。

「えっと、現在進行形みたいない方だったけど」戸惑いを隠せない父。

「それは、モテるに決まってるわよね。こんなに素敵なんだもの」母がダメ押しする。


「やっぱり、何かあると思った」妹が容赦なく言う。

「ごめんなさい……私ったら、余計な事言ってしまって」

「余計な事じゃないでしょう？
和泉の他に婚約してる人がいるなんて。どれだけバカにしてるの？」

「バカになんてしてません。和泉さんのことは、本気です」

「婚約してる女が他にいるって事？」

「はい」

「最低。和泉と結婚したいなら、そっちの女の方を何とかすべきでしょう？」

「はい。全くその通りです」

「口では、何とでも言えるわよね。和泉、本気でこんなのと結婚するつもりなの？」

「はい」

「バカなの？」