恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
数日後、
葛城さんが嬉しそうに帰って来た。
「どうしたの?」
「今日、専務に呼ばれたんだ」靴を脱ぐのも、もどかしそうに彼が言う。
「それで?」
「ああ、今日すぐに連絡しようと何度も思ったんだけど、我慢した」
「なに?」
「あのね、真梨香の事、専務が説得してくれたんだ」
「どういうこと?」
「実は、俺、本当に辞表を出したんだ。
そしたら、専務が真梨香の事、問い詰めたみたいで、事情を分かってくれたんだ」
「そうなの?」
「うん。だから、会社は、辞めなくてもいいことになった」
「よかった。でも、辞表出すならそう言って欲しいわ」びっくりした。
「だって、君は、
どんな俺でも側にいてくれるんだろう?
実は、あの言葉を聞いてほっとしたよ」
「相談しなくていいって事じゃないわ」
「ついでに、専務にも婚約破棄の理由を聞かれて。
実は、結婚したい女性がいるって、はっきり言ってしまったんだ」
「専務に?」
「うん、そう。それで……
結婚式には、他の重役を連れて参加させていただくって……」
「ええっ」
「ごめん。それは、断れなかった」
「それじゃあ、結婚式こじんまりっていう訳にはいかないね」
「いかないね。この際、みんなに祝ってもらうか」
【END】