恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
例えば、食事も普通にすればいいのに。
シェフのお任せサラダにフォークを突き立てて、辛うじて引っかかったレタスを口に運んでいく。
彼女は、葛城さんが二人きりの時どんな風なのかと質問してきた。
正直に彼の反応を答えた方がいいのか、あくまでも誤魔化した方がいいのか判断が付かない。
どうしてるのか、と聞かれても。私には普通ですとしか答えようがない。
新婚家庭みたいに熱々ですよなんて言ったら、目の前のフォークが飛んで来そうだもの。
だから、私は頭で考えたことを言うしかない。
「だって、二人になったからって特別変わった事ないですよ。葛城さんはいつも通りですし」
「ムカつく」真梨香さんは、とうとうメインの高級ステーキにブスッとナイフを突き立てた。
「昼間っから肉でも食べないとやっていけないわ」
そう言いながら、厚めの肉を切り分けてどんどん口に放り込んでいく。
「うらやましい限りで」
昼からそんなに食べて、よくそのプロポ―ションを維持できるのか不思議だ。