恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
彼女は時々私の眺めると、何かが気になってるのか
「ん?」っていうように、首をひねる仕草をした。

「それにしても、なんでいつもあんたが着てるスーツって、ねずみ色なのよ」
真梨香さんが、私の何が引っかかっていたのかようやくわかった。

どうやら、私のスーツの色の事を言ってるみたいだ。

「でも、四月に入って明るくなってるんですよ。先月までは、もっと暗い色でしたから」

町が華やいで来るに従って、スーツの色も明るいグレーになる。

これでも私には、十分な変化だと思ってる。

「はあ?何言ってんの。あんたのクローゼットの中、全部ねずみ色なの?」

「いいえ、違いますよ。紺もありますから。
ちゃんとクローゼットも真ん中で分けてありますし。季節ごとにいい感じで並んでますよ」

真梨香さんが、あきれ顔で私の顔を見てる。

「何でこんな女なのよ。絶対、納得できない!」
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