恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


「何してるのよ。まだ寝てたの?」

キーンととがった耳に残る声。

聞いてるこっちも背筋が伸びた。

電話口の向こうでも、背筋が伸びた姿勢の真梨香さんが目に浮かぶ。

このお嬢様が、あんなに食べてもやせている理由が分かった。

常に活動していて、寝るまで休まないのだろう。

でも、付き合わされる方はそうも行かない。


「いいえ。起きてましたよ」私は、欠伸をかみ殺しながら言う。

時刻は、11時になろうとしていた。

これでは、さすがに寝てたとは言えない。

「これから、出られる?」

「無理です。出られません」目が開くのにもうしばらく時間がかかる。

「じゃあ、12時に迎えに行くわ」

お嬢様は、悪びれずに言う。

人の返事なんか聞かないんだったら、尋ねなければいいのに。

「いや、あの……早くないですか?」お昼って言ってませんでした?

「早くないです。あんたの家の周り車止めるとこないから時間厳守で」
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