恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
きっかり十分で敷地に面した道路に車を止めると、運転席からドアを開けるように私に目で合図した。
「早く乗って」
車の車種はまったくわからず、ドアが4枚ついている事くらいしか私にはわからないけれど。
車のボディが鏡のようにピカピカなのに驚いた。
羊羹みたいに黒っぽい車体が、鏡のように光ってる。
手を触れようとしたとき、急に窓ガラスが開いて、
「こら、ドアに手で触るな」と威嚇された。
まるで汚いものにでも触れられたみたいな剣幕だった。
「触れないのに。ど、どうやって中に入るのよ」
真梨香さんは、ちッと舌打ちすると車の前を通って助手席まで来た。
「ほんと、世話が焼けるわね」
ドアにわずかに指先が触れたような気がするけど。自分の指紋ならいいのだろうか。
土足もだめなようで。足を置くところにシートのようなものが敷いてあった。
私は革張りのシートを汚してしまわないように、に小さくなって座っていた。
「えっと……」
「聞くまでもないでしょう?
その頭と洋服、それから、もう。全部よ全部。取り換えてあげるから」
「取り換えるって。どうしてですか?」私は、持って来た肩掛けバッグを抱きしめた。
真っ先にダメだしされて、捨てられそうな気がした。
「早く乗って」
車の車種はまったくわからず、ドアが4枚ついている事くらいしか私にはわからないけれど。
車のボディが鏡のようにピカピカなのに驚いた。
羊羹みたいに黒っぽい車体が、鏡のように光ってる。
手を触れようとしたとき、急に窓ガラスが開いて、
「こら、ドアに手で触るな」と威嚇された。
まるで汚いものにでも触れられたみたいな剣幕だった。
「触れないのに。ど、どうやって中に入るのよ」
真梨香さんは、ちッと舌打ちすると車の前を通って助手席まで来た。
「ほんと、世話が焼けるわね」
ドアにわずかに指先が触れたような気がするけど。自分の指紋ならいいのだろうか。
土足もだめなようで。足を置くところにシートのようなものが敷いてあった。
私は革張りのシートを汚してしまわないように、に小さくなって座っていた。
「えっと……」
「聞くまでもないでしょう?
その頭と洋服、それから、もう。全部よ全部。取り換えてあげるから」
「取り換えるって。どうしてですか?」私は、持って来た肩掛けバッグを抱きしめた。
真っ先にダメだしされて、捨てられそうな気がした。