恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「村西さん、ちょっといいかな」
業務について質問する振りして、彼は、私のところに来てくれた。
「はい」
背後からいいなという声と、刺ささるような視線を受けて、私は彼のところに歩いて行った。
「今日の夜、会いたいから、仕事が終わるころ連絡して」
「はい」
「葛城さんは?大丈夫なんですか」
「うん。着任してすぐだから。疲れてるだろうって。今日は、たいして予定は入ってないんだ」
彼は、私にだけ聞こえるように言って、じゃあねと肩をポンと叩いてくれた。
付き合うのも久しぶりな私には、こんな事でもいちいち嬉しい。
仕事中してても、彼が手で触れた所がじわっと熱くなってる気がした。
彼がいなくなっても、いい匂いが残ってる。
彼その場にいなくても、すぐ横にいるような気がした。