雨を待ちわびて
あらかじめ解っている亨さんの出勤予定と照らし合わせながら、出勤日を決めて提出した。
いいですよ、これで、早速、来週からお願いしますねと言われた。
はぁ、まともに仕事をするのは、凄く久し振り。
使い物になるだろうか。
一生懸命して駄目だったらまた探せばいいか…。
とにかく、仕事、早く覚えないとね。
「直さん、行き帰り、気をつけてください。
それから、大丈夫だと思って無理をしない事。何かあっても無くても、その日の内に、俺に色々話してくださいね」
自分で気が付かない無理は、話を聞いていれば、気が付ける事もある。
「はい、来週から頑張ります」
「頑張らなくていいです。まず行って帰ってくる事からです」
「…何だか幼稚園に行くみたいですね」
「そうですよ。まず、行ける事。そして、慣れる事からですよ」
「はい。行って、帰って来ます」
「はい。家事も無理して頑張らなくていいですから。何もかも、完璧にしようとする必要はありませんから。俺だってするんですからね」
「はい。無理して潰れないように気をつけます」
「はい」
気忙しくなると、花の世話が、一番忘れられるかも知れないな。
…片霧さんの花なのに。
忘れたら、俺がするから大丈夫だけど。