雨を待ちわびて

そんな…。何もかも、心も繋がっていたって事？

｢もう、知らない…。馬鹿…。片霧さんの馬鹿…｣

｢直…｣

｢駄目!これ以上は何も言わないで｣

｢直…｣

｢駄目!駄目なモノは駄目｣

…。

はぁ…。…、こんなのって。

｢するぞ｣

｢え？｣

｢俺らしいので、シて欲しいって言っただろ｣

あ、もう…。何だか、…もう。

｢苛々してるみたいだし、思いっ切り情熱的なやつで｣

どうして、人間らしくなったのよ…何も語らない人だったのに…。

｢どうする？するのか？シていいのか？｣

確認するし…。

…。

ゴロゴロ。ピカッ。

｢キャッ。もうー、…する｣

｢いいのか？｣

念には念を入れて聞くのね。

｢…うん｣

｢…俺に溺れるなよ？俺は、よく知ってんだからな、直のいいところがどこ｣

｢黙って｣

……。

なんで、こんな…掛け合いなんか出来る人なのよ。
時間が足りなかったの？ずっと一緒に居たら、こんな話をし合えていたの？…。

｢直が浮気してるって、メールしようかな｣

｢……どうぞ、お好きなように｣

そしたら片霧さんが間男になるんだから。…まだ結婚して無いけど。

｢片霧さん不倫したら、何か処罰されるでしょ？｣

｢あﾞ？不倫か？不倫は、ああ、…詳しくは知らない。結果としたら、依願退職したように処分されるって事じゃないか？
なんだ、不倫を希望するのか？｣

｢違います｣

｢大人のつきあいだ。…割り切りだよ｣

何？片霧さん、不倫願望？

｢…柳と同じ事は出来ない。だけど、直。俺とつき合わないか？｣

｢…え、どういう｣

…柳と同じ事、…。

｢大人のつき合い。俺は直が欲しい。だから、大人のつき合い｣

｢もう…、解らない。好きじゃないって事？｣

｢……いや、違う。好きだ｣

｢じゃあ、大人のつき合いって、何？｣

｢直が大人のつき合いをするんだ｣