雨を待ちわびて
「……ちゃんと寝て、ご飯は食べてるのかな。こんな事言ってると、片霧さんて子供みたいなの。心配する事の内容がね、子供に言うような事でしょ?」
「仕事だけの人ですから。ある意味…恐い人です。直さんと関わってから、ちょっと変わりましたけどね。心配だと思ったら気遣ってあげてください。それも、うるさいって言うと思いますが、本心ではありませんから」
「そうね」
「僕はこう見えて、片霧さんの世話女房なんですよ?
細かい事を気にする質なので、あれこれ言うんです。
他の人はやっぱり片霧さんには距離を置きがちですからね。
恐いって、取り方が違うんですよね。仕事において間違った事は何一つ言ってない。特に殺人事件に関わる時なんか、人の命が失われていますから。厳しいのは当たり前です。
僕は相棒をさせて貰って有り難いと思っています。足りないモノ、片霧さんに教わっていますから。
…あれ、いつの間にか僕の片霧愛を語ってしまいましたね。何の話でしたっけ」
「身体の心配の話かな」
「あ、そうでした」
「慎人君、彼女は?」
「居ませんよ?」
「本当に?」
「はい、本当です」