雨を待ちわびて
脱がした物は洗濯する。
洋服は縮むといけないから、乾燥機には入れない方がいいだろう。下着は洗い終わったら乾燥機に入れたらいいか。

ふぅ。結局、まだ起きない…。こんなに目を覚まさないなんて。余程仕事で疲れてんのか。だったら肉体が疲労してるって事か…。単に睡眠不足なだけか。

髪はよく拭いたつもりだが、ゆるくふわっとしていたであろうセミロングのそれは、まだ少し湿っている。
一応確認だ。額に手を当てて見る。熱は…無いな?
ん、いつから雨の中を歩いていたのか知らないが、風邪はひかなくて済みそうだな。
しかし、急いでいたのか、雨宿りもしないとは…。…。

さて、と。

「…お姉さん、起きろよ。一宿一飯の内の一宿の恩義。貰ってもいいのか?嫌だったら起きろよ?」

ペチペチと音がしない程度に頬を叩いてみる。優しく触れてもみた。はぁ、ここまでしても起きないか。
ベッドしかないんだよ。ああ、も゙ー、俺ももう眠りたいんだ。疲れてんだよ。頼むから起きてくれよ。一緒に寝るのはヤバイだろうが…。
はぁ、もう…、俺が男である事が…厄介だって話だよ。…置き去りにも出来なかったけど。拾って来なきゃ良かったか。

ピー、ピー、…。
お、洗濯終わったようだな。
服はハンガーに掛けて、エアコンとサーキュレーターの風当てとけば上手く乾くだろ。…下着は、…乾燥機だ。

しかし…よく眠るなぁ。少しは警戒しろよ……。意識がないから仕方ないのか。……一緒に寝るか。
大丈夫か?…俺。一緒に寝たら…何もしない自信、無いんだけど…。
この状況、普通、理性を保つって出来ないだろ。
男なんだから。
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