雨を待ちわびて
ソファーにゴロンとなってみた。
なんて言うか、…窮屈だな。これだと仮眠用のベッドの方がマシだと思う。膝を立て、腕組みをした。
疲れていると場所がどうとか関係無い。自然と眠れるもんだ。
…眠れない。気が高ぶっているんだ。
容疑者を逮捕した事と、…直が部屋に居る事。
…眠れない。
…直。
「……もう…、いつまでここに居るつもりですか?」
「ん、……直…」
「夜が明けるまで居るつもりですか?体、疲れているのに、こんなところにずっと居るつもりですか?」
「直…」
「一緒が嫌なら私がこっちに居ますから、片霧さんはベッドで休んでください。…さぁ」
組んでいる腕に直が触れた。
「…嫌だ」
手首を掴み返した。
「え?」
「直が一緒じゃないなら、ベッドに寝る意味が無い。だったらここに居る」
「…もう、困った刑事さんですね…。何言ってるか解らない。
また、いつ、呼び出しが掛かるか解らないのに。そんな…、戯言言ってないで、早く寝て少しでも身体を休めてください」
「直。…こうして居られるなら、このソファーだっていいんだ」
「あ…、片霧さん、駄目です…かなり窮屈です。というか、落ちてしまいそうです」
「だから抱いてる…これだって落としはしない…」
腕を引かれ、片霧さんの上に倒れ込むように乗せられていた。