ユキ。【完】
そして、舞い落ちる雪からふと駅を行き交う人に目線をふと移す。


「っ!」


どこで、わたしはタイムスリップしてしまったんだろうか。


「ユキ…」


見間違える訳がない。


あの色の白い綺麗な顔。雪のように消えてしまいそうな、


目の前にいるのは紛れも無いユキの姿。


あぁ、タイムスリップなんてバカなことを思った。


あの頃よりかっこよく素敵になっている3年ぶりに見るユキの姿。


ユキはわたしに気付くことなく腕時計をチラチラと気にしている。


そしてふわりと優しく笑うと軽く手を挙げる。


「こっちこっち。走ると転ぶよ」


「もう!人をドジみたいに言わないでよ」


小走りで彼の元へと向かったのはとても可愛い女の子。
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