ユキ。【完】
大きく暖かな掌がわたしの頬に触れる。


「どしたどした?甘えん坊か?そんなに俺に会いたかったか?」


会いたかったよ、バカ。


「うわっ、おまえ冷たっ!待たせちゃったからむくれてんのか?」


「そんなんじゃない」


「待たせて悪かったな。早く帰ろう。んで、帰って温めあおう」


「…エロいこと考えてるでしょ」


「バカヤロウ。いいか?男はな、好きな女目の前にしたらみんなただの野獣なんだよ」


わかったかい、ワトソン君。と得意げにそう言いながらわたしの手を取り歩き出す。


わたしの大好きな大きな手。
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