ALONE
2階に上がり

俺は部屋に入るなりソファに横になる。

とりあえずタバコ。

寝タバコは俺の日課だが

そのまま寝るなんてヘマは間違ってもしない。


けど良い子はマネしないように。



さて…

とりあえず三日後

俺はシュウジの携帯を鳴らさなければならないわけだが…

どうしたもんか…。


というか冷静に考えたら断るという選択肢は俺にはないんじゃないか?

あそこまで奴の団体の内情を話されて

聞いたらハイおしまいなんて有り得ない。

もう俺はあっちの世界に入りこんでる。





『…兄貴…』




俺は吐いた煙で曇った天井をぼんやり見上げながらそうつぶやく。


俺は記憶の引き出しに


無理矢理押し込まれたあの日の出来事を思い出そうとしていた。


そう…


昼過ぎから冷たい雨が降り続いたあの日


まだ俺が小学生だったあの日





兄貴が死んだあの日を。
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