ALONE
入学式を終え


体育館を後にする生徒の行列が屋上から見えた。


『俺…退学っスかね?』


トオル先輩は眉間にしわを寄せて首をかしげる


『ん〜…それはないね。まず目撃者がいないし、あいつ等も新入生に3対1でケンカふっかけてボコされたなんて口が避けても言えんやろ。』


確かにそうかも…。


『それにお前辞めたらあいつ等仕返し出来ないじゃん♪』


あぁそうか…


そういえば覚えとけとか吠えてたな。


『…はァ…。アレまた来るんスかね?』


『多分な。でも楽勝だろ?』


即答


『はい』


『ハッ!ジンは強気だなぁ♪俺気に入ったよ。』


『…どうも』


『さて、もうそろそろ教室戻るか♪』


『あ…はい』


『また明日昼休みココ来いよ。親睦を深めようぜ♪』


『いや…俺そうゆうのは…』


『いいからいいから♪じゃあな。』


トオル先輩


掴みにくいところがどことなく死んだ兄貴に似ていた。
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