ALONE
『なぁジン。お前俺に初めて自分のこと話したな。』




『そうだったか?』


カイトは俺の肩を優しく小突く


『てめぇ自覚ねぇのかよ。いつも何考えてっかわかんねーし…たまにしか笑わねーし…。俺にはまだマシかもわかんねぇけどいつも他人に壁があるっつーか…。』


…驚いた。



案外



人って人のことをよく見てるもんだ。



カイトは笑う


『でもまぁ話聞いて安心した……つーか…嬉しかったわ』



『…嬉しい?』



『まぁ野暮なこと聞きなさんな♪さっ、授業出るベ!!』


カイトは俺の肩に腕を回し


意気揚々と歩き出す。





その時…



今まで味わったことのない感覚が俺を支配した。






暖かかった。





気を抜いたら




涙が流れてしまうくらいの暖かさを俺は感じた。




俺は人との関わりを避けてきた。



裏切り、妬み、憎しみ、劣等感…



そんなマイナスの感情全てから逃れるため



俺は人との関わりを避けて


俺は俺自身の感情を無にしてきた。
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