ALONE
SHRが終わり



1限から6限



他愛もなく流れていく時間


なんだろう…




あんなにも煩わしく感じていた高校が




今では名残惜しくすら感じる。



授業中



珍しく教師から注意を受けた



『オイ榊。聞いてんのか?お前そんな昼間からぼーっとしてると社会でやってけねぇぞ。』


静まりかえる教室


みんな俺がキレると思ってる。



ヤバイ…絶対キレた…


みんなの心の声がそう言ってるのは痛いほど伝わってくるのだが


残念


俺は今笑いを必死にこらえてる。


だってそうだろ?


最後になるかもしれない学校の授業で


出身大学だけが取り柄の


逆に言うなら周りの同級生達が官僚などエリート街道まっしぐらな中


一人教師にしか『なれなかった』男が


俺に『社会で通用しない』なんてナマ言ってる。


これが笑わずにいられるか。
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