ALONE
時刻は6時20分をまわる


門の奥から黒い車がやってくる。



見覚えがあった。



そしてその運転手にも。


全ての記憶がフラッシュバックした。


あの忘れもしない夏の遊園地を。


アゴに喰らった一撃を。


立ち上がれず地面に崩れ落ちた俺を見つめる


あの虫けらでも見るかのような眼差しを。


俺は全てを克明に思い出す。


忘れることなんて出来ない。


あの車を。



美姫を俺の手から引き離した



あの運転手の男を。



俺の内なる怒りが



完全に沸点を越えた。






だいぶ遅くなったけど








さぁ美姫








俺達の戦いを始めようか。
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