ALONE
『よ…吉川ァ!!そのガキを殺せぇ!!早く殴り殺せ!!』



俺は地面にへたりこんだカス野郎を鋭く睨みつけ


渾身の怒りを込めて



腹の底から吠えた。





『今俺がコイツと話してんだろぉが!!!!!!!!』



へたりこんだ男はさらに怯え



車の後ろへと回り込み



頭を抱えて震えた。


俺は目線を運転手へ戻し


更に近寄る。



奴は動かない…



いや




俺の覇気が奴を動かせない。



『あんた…知ってたんじゃねぇか?』



その意味が何かを悟り


俺から目線をそらす運転手。


『…何をだ?』



俺は運転手の胸倉を



両手で勢いよく掴んだ。



『とぼけてんじゃねぇ!!!!!



あそこにいる変態野郎が…!!




美姫に何をしてたか知ってたんじゃねぇかって聞いてんだよ!!!!!』


目を閉じる運転手


…いやここからは吉川と呼ぼう。


吉川は目を開け


俺に目線を戻すと


『知ってたらなんだって言うんだ。』


と冷たい口調で吐き捨てた。
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