ALONE
その瞬間





何かが






俺の中で







『プツン』と音を立てて






キレた。





俺は奴を掴んでいた手を胸倉から離し





血が滲むほどの力で拳を作ると





それを吉川の顔面へ叩き付けた。





俺は今日




初めて自分以外の人間のために





人を殴った。






この世界にはもういない






強く





優しかった






本条 美姫のために。
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