ALONE
『ねぇ君強いんだって?』

誰だこいつ


上履きの色からして3年


『今日学校終わったらどっかいかない?』


顔を近づけてそう言うと香水の臭いが鼻をつく


『ジン君お人形サンみたいな顔してんね♪アタシタイプかも♪』


『…スイマセン忙しいんで』


俺はそう言って席を立つと教室を出た。


どーしてこうも高校ってのは煩わしいことだらけなのか。


不思議とトオル先輩と話したくなった。


屋上に出るとトオル先輩は昨日の言葉通りそこにいた。


ポケットに入りそうな


でも結構厚めの本を読んでる。


『…チワっス。』


トオル先輩は俺に気付くと昨日俺に見せたのと同じクールな微笑みを浮かべた。


『よう人気者♪だいぶ知られてるみたいだな。』


『マジなんなんスかアレ…。ワケわかんないっス…。』


『みんな退屈なんだよ。だからこの代わり映えしない日々に現れたお前みたいな奴に期待してんだ。』


『…何を?』


『次は何をやらかしてくれんだ?ってな♪』


カチンときた。


『…俺はただ…!』


『わかってるよ。ふっかけてきたのは向こうだ。お前はそれに応じただけ。だろ?』


『…そうっス』


全てを見透かしてるような澄んだ瞳。
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